「手作りスノーシュー」教室と、そこから見る『未来の教室』の具体像。

「手作りスノーシュー」教室と、そこから見る『未来の教室』の具体像。

    こんにちは、“未来の学校フェルマータ”を主宰している清水です(^^)   今回は、先日行ったスノーシュー作りのレポートを通して、新しい時代の『未来の教室』の具体的な姿についても、少し具体的に書きたいと思います! (記事の最後には、予告もあります★)     ● どうしたら、生徒たちが、学ぶことが楽しいと思えるようになるのか? ● 生徒たちが、旺盛な好奇心から、意欲的に物事を学んでいけるようにするには、どうしたらいいのか?   教育について考えていくためには、色々なことを見ていく必要がありますが、まずは一番の主人公である「生徒たちの学びの質的な転換」について、一緒に考えていきたいと思います。     楽しいというのはとても大切なことで、人は、楽しければ、自分からすすんで動いていきますし、その時の物事の吸収はとても速く、能率的です。また、楽しいからやる、楽しそうだからやってみたいという時、そこには、どうしてそれをやるのかということに関して疑問はありません。     では、どうすれば勉強を楽しく意欲的なものにすることが出来るでしょうか。   とにかく自分の好きなことをやっていく(大人はそれを理解していく)という考え方も1つですが、社会全体にわたる公的な教育システムを新たに再創造していくには、「具体的な体験をともなう《アクティビティ型》の学習」というのが、1つの大事なキーワードになると思います。         1.「アクティビティ型学習」が、生徒たちの心を動かす!         生徒たちに、実際に手でつくったスノーシューを見せて、「これでこんなとこ行って遊んできたんだよ!」と話すと、かなり多くの割合の子どもが「すごい〜!」「カッコいい〜」「やってみたい!」と、ぐっと前のめりに反応します!   この瞬間的な反応は、とても純粋でストレートなもので、これこそがとても大事なこと。その瞬間、生徒たちの関心は、この目の前にあるスノーシューとその先にある体験に引き込まれていて、楽しそう/自分もこういう体験をしてみたい!と、欲求が生まれたのです。   生徒たちは「リアルな体験=アクティビティ」が大好きで、それを求めています。私たち大人も皆そうですね。友達の話や、TV番組・雑誌、SNSの投稿などをみて、そこにある体験に興味をもったり憧れを抱いたりするわけです。     でも、もしこれが「はい、これから圧力の単元に入ります。圧力というのは、単位面積あたりに働く力の大きさのことです。単位は[Pa(パスカル)]で、圧力[Pa]=力[N]÷面積[㎡]ということが成り立ちます。…」となれば、どうでしょうか。   皆さんが率直に感じた印象が、そのまま子どもたち/生徒たちが感じる印象だと思います。       もちろん紙とペンを使った机上の勉強もとても大事です。人はそれが出来るから、頭の中だけではできないようなことを詳しく考えたり、知識や物事にうまく整理をつけ発展させたりすることができるからです。抽象性というのも、物事や世界への理解を深化させます。   ただ、学び方がそれだけになってしまうと、物事がうまく機能しなくなってしまうということもあるのではないでしょうか。すべてが紙の上だけのことだと、現実性(リアリティー)がなく、実感を持てないから理解もしにくい。また、どうしてそんなことをやるのかも分からず、面白くもないということになってしまうわけです。端的に言えば、学んでいることが自分にとって意味をなさないわけです。     でも、「勉強はこうやってするもの」という従来からある観念を取り払って、そこにひとたび具体的な動きのあるアクションプログラムやプロジェクトという形を与えてあげると、生徒たちの心は動き、途端にその時間が生き生きとしたものになってくるのです!         2.観察やプラニングを通じて、物事を読みとる力や想像力を育てよう!     アクティビティの内容は何だって構いません。いずれにしても、これから自分が何をしようとしているのか、いざアクションを始める前に「具体的なイメージ」を持つことが大切です。それが無ければ、ただ先生の指示される通りに動くしかなくなってしまうからです。   何かモノを作る場合はもちろんのこと、皆で何かプロジェクトを行うというような場合も、何をどうしていくのか段取りをイメージし、その中で具体的になってくる必要な準備や役割分担など、できる限り生徒たち自身が主体となって、皆で話し合いながらプラニングしていくのです。         今回は「一緒にスノーシューを作ってみよう!」ということで、まずは実物をよく見ながら、スノーシューというものがどういうふうになっているのか、何か特徴や仕組みなど気付くことはないか、具体的にみていきました。     イメージ作りは、上で書いたように、先生に言われる通りに動く/作るということに陥らないようにするために不可欠なことでもありますが、同時に「“眼”で見て、物事を理解する」という、私たち人間が備えている実はとても高度なことを実践しながら養うことにもなっています。   人は体験したことがないことについては分からないので、もちろん限界はありますが、眼で見て、ここがこうなって、こうなるから…と想像力も目一杯働かせながら、いま自分が知っている世界の一歩先の、モノや状況がどうなるか、(今回ならばこうしたらこうなるからここにこう力が加わって、…とまさに力学的なことなども含め、)自然と色々なことに意識を向けることになるわけです。プロジェクトの段取りを考えることも同様です。     このようにアクティビティ型の学習では、準備の段階から、大きな学びが始まっています。こういった精神的な活動と、具体的な実体験と、(後述するような)能動的に捉えられた知識などが組み合わさることで、単純なことばでは言い表せない複合的で高度な人間の能力が確かなレベルで育っていくのです。   (それは、ある種の運動神経や、いわゆる学力や、また生活力など、色々なところで様々な形をとって現れてくるものの大元となる“力”なのだと思います。これまでの科学が、捉えられないがゆえに置き去りにしてきた、また、その結果として社会としてもきちんと意識を向けてこなかった「暗黙知」や「身体知」と呼ばれるものがあります。)         さて今回は、観察しながら色々なことに気づいていきつつ、最後どうしても、スノーシューの要となる「回転する足のせプレート」が、どうしてそんなふうになっているのか、回転することで何がどうなるのか(あるいは回転しないとどうなのか)、色々見て思いをめぐらせてみても、なかなかよく分からなかった様子。   それならばと、実際に足につけてみて、想像力を補い、より具体的に物事を想像できるようにしていきました。一度ストップした想像や思考が、ふたたび進むように、生徒たちの意識(の動きや状態)をきちんと見ることで、ふっとひと言やワンアクションを添えてあげるのです!     ※ 上の写真を見て、何か違和感を感じますか? (“眼”で見て物事が読みとれるか/想像できるかクイズです(笑) ※後傾感がヒント)         3.アクティビティ型学習の中で生徒たちが経験していること         具体的なアクションを伴った学習の中で、生徒たちは本当にさまざまなことを体験的に学んでいきます!     ● 運動・身体能力 : 体を使うことで、これまでつながっていなかった(あるいは不活性だった)神経ネットワークができていき、その結果、身体的な能力が培われていきます。脳への刺激・発達が促されることはもちろん、体(感覚)と心(思考)のつながりを通じて、精神性も成長します。     ● デザイン 〜造形・美しさ・機能に対する感覚〜 : 見た目の美しさやモノの機能を表現することがデザインです。今回のように、自分の足(ブーツ)に合わせた寸法を考えて、作っていくこともデザインの内ですね。モノの質感・印象は、人の情緒や心の動き・ありように大きな影響を与えます。また、そこには細部だけでなく、ものを全体としてみるという視点も必要となるため、体験を重ねれば重ねるだけ、細部(ミクロ)と全体(マクロ)という、相反する2つの“眼”を行き来することの実践練習にもなります。…

教室レポート「ソーラークッカー作り教室 Vol.1」

教室レポート「ソーラークッカー作り教室 Vol.1」

10/29(日)開催のソーラークッカー作り教室の様子です! ★11/12(日)と11/19(日)の日程で追加開催(Vol.2)します! 詳細・お申込み先は ☞こちら をご覧ください。   「太陽の光は暖かくて心地いい。でも、そんな陽の光を虫メガネで一点に集めると、すごく高温になって 、紙が焼け焦げるね。(レンズによる光の屈折・焦点)」   そんな所から、まず「ソーラークッカーって何だ?」ということを簡単に。   ● 多くの太陽光を集めることで、その熱によって調理ができる! ● 太陽光だから¥ゼロ(フリー)で、どこでも誰でも無限に使える! ● 電気やガスが通っていない地域など、世界中でたくさんの人たちが実際に日々生活するために使っている。 (清潔でない水が原因で、今この瞬間も世界では多くの人が死んでいて、そんな水を殺菌するためにソーラークッカーが使えることも。)     じゃあ、早速ソーラークッカーを作ろう! と思っても、なかなか具体的にイメージが湧かない。。   ということで、いくつかの代表的な形(タイプ)を絵に描いてみました。それを足がかりに、自分で「こんな感じにしてみようかな…」と、想像を形にしていきました!     算数・数学塾の塾生でもある中学1年生の彼は、結構丁寧に図を書いて、寸法などを考えています。     ・底面の寸法をどれぐらいにするか(それによって側面の大きさも決まってくる) ・側面をどれぐらいの角度で立てるか ・光の反射がどういう感じになるか(入射角と反射角のことも)   いざ作りはじめると、考えることが色々出てくることに気づいて、少し立ち往生。でも、適宜アドバイスしながら、「やりながら⇄考えながら」進んでいきました!   やってみて初めて気づくことがある。 やりながら考えて、考えながらやってみて、徐々に形(物事の輪郭)をはっきりさせていく。 とても大切なことだなと見ていました。     90cm四方の材料を、フルに使っていこう!       彼の設計図はこれ↓ (小学3年生なのに、段ボールの箱を切って開いたらどうなる?というところから、展開図を書いてスゴい!)           あれ、箱にするつもりが…     はみ出ちゃったところを切ればいいか、という彼に、   「良いじゃん、ここから何か(アイデア出して)作っていこうよ!」 「実際にやりながら、最初考えてたこととか、どんどん変えていけばいいからね」   と言って、ここで見せた彼の閃きが素晴らしかった!             かなりクリエイティブですね!(まじめに驚き、感動しました。)     一方、中学生の彼は、いい感じの図面が出来たものの、これで本当に材料に手をつけていいものかどうか少し躊躇している様子。   そこで、厚紙とかで「模型」を作ってみるのも1つだよ、と助言。 建築とかも、まず小さな模型を作ってから、本物を建てたりするからね。       そして模型を作りはじめたら、実物:ミニチュアで、模型の底面の長さを決めるのに「比例式」が登場。   材料が90cm四方で、カットした厚紙が27cm四方。 底面は25cmにしようと考えていたけど、じゃあ模型では底面を何cmにすれば良いか?   ☞算数的にも解けるけど、中学生の彼は数学的に…  90:25 = 27:x  90x = 25×27 = 675  x = 7.5   実は、まさについこの間、方程式や比例式の勉強をやっていた彼! この展開は、むちゃくちゃ面白かったですね!           具体的なイメージができて、納得ができた様子。 実際に取りかかりました!              …

教室レポート「竹と和紙でつくる和凧あげ大会」【制作編】

教室レポート「竹と和紙でつくる和凧あげ大会」【制作編】

昨日行った、新春企画の様子です。   上田市は、一日雪空。 凧あげは来週1月22日(日)の午後の予定で行うことになりました。     教室での和凧づくりの風景です。         凧は左右のバランスが命、ということで、 用意した和紙の周囲を少しカットし、きれいな長方形にします。   平行を出すために、フローリングの直線を使ったりもします。       今回は、だいたい横500mm×縦700mmぐらいの大きさの凧になりそうです。   和紙の上下左右に、幅15mmの折り返し代を取ります。       横の長さのちょうど真ん中(中点)を出し、縦骨を貼る位置に鉛筆で印をつけます。       竹骨を通す箇所に、カッターで切れ込みを入れていきます。       横骨(天骨)⇒縦骨⇒筋交い骨と貼り、周囲の折り返しも順に貼っていきます。 押さえは、教室にあった角材などを使って。           糊付がひと段落したところで、乾かしがてら、ちょっと休憩。   :   :   今度は、天骨と筋交い骨をくくり留めする形で、反り糸を結びます。 今回、糸はすべて麻糸を使用。   反り糸は、凧の横幅と同じ長さで張りますが、 左右に飛び出ている天骨にそれぞれ1回巻くと、長さが短くなり、凧がぐっと反ります。 なんだか揚がりそうな気がしますね(笑)   巻く回数によって反り具合が変わるので、その時々の風の強さによって調整することで、 凧がどれだけ風を受けるか(正確には受け流すか)をコントロールすることが出来ます。       最後に、糸目糸と呼ばれる糸をつけていきます。   糸目の数は、凧の大きさなどによって変わりますが、 今回は4点糸目で作ってみることにしました。   それぞれ、凧のサイズを測り、糸目の位置を計算中。       凧の上辺から1/3のところと、下辺から1/4のところに、印をつけます。       縦骨にくくり留めする形で糸目糸を結ぶので、骨の際(きわ)の左右に穴を開けます。           反り糸を結びつけた天骨の両端にも糸目糸を結び、全部で4本。 いよいよ凧っぽくなってきました!       結ぶことが出来たら、糸目の調整。 糸目の中心が、真ん中の糸目(上辺から1/3の長さの所)の真上に来るようにします。   外側の3本の糸目糸を五円玉の穴に通し、ぐーっと下げていくと、どの辺りにくるでしょうか。   写真では分かりにくいですが、今の状態では、縦骨よりも左に寄ってしまっていますし、 糸目の中心よりも手前、つまり1/3よりも高い位置に来てしまっています。       こっちの糸を少し長くして、そっちの糸を少し短くして、… と、3本の糸を調整することで、五円玉がぴったり糸目の中心の位置に来ました。   何やら数学的な匂いがします(笑)       上から見ると、よく分かるかも。       このバランスで糸目糸を結び合わせます。 どれぐらいの長さで結ぶかも、飛行に影響しそうです。   糸目糸の結び目に、数十メートルの揚げ糸をくくれば、凧は完成です!       もう1人の子は、午後予定があり、制作の途中まででしたが、 好奇心がとても旺盛で、楽しい時間を過ごしてもらえたようでした。続きはまた後日!  …

教室レポート「2016/10/10  青空フェルマータ in 別所温泉」(主催:大湯地区育成会)

教室レポート「2016/10/10 青空フェルマータ in 別所温泉」(主催:大湯地区育成会)

去る10月10日(祝)、別所温泉(大湯地区)の育成会主催で行われた「秋の特別授業」に講師として呼んでいただき、青空教室を行ってきました!     参加者は、小学4年生が3人・6年生が2人で、1年生のわんぱく男子が他の遊びに忙しく脱落したので(笑)、全員女の子となりました。   内容は、年齢に幅がありそうだったことや、今回は何か持ち帰れるものがあったら良いかなとも思い、以前行ったこともある『素数の糸かけ曼荼羅づくり』をやることにしました!       ●  素数(そすう)との“良い出会い”   「コケコッコーー!!」とすぐ近くの鶏が鳴き、授業開始です(笑)   まずは「素数に出会う」ところから! 今回は、リズムに乗って太鼓を叩きながら、素数を見つけていくことにしました。       最初は「2のリズム」で、強弱をつけて数をかぞえていきます。 (1)、2、(3)、4、(5)、6、(7)、8、(9)、10、(11)、12、…   この「2のリズム」の数たちが「2の仲間」で、「2」はそのグループの“リーダー”なんだよ!     ということで、数表シートに色を塗っていきます。 「2」は“リーダー”だから◯で囲い、それ以外の「2の仲間たち」を好きな色で塗ります。 これらの数を「2の倍数」と言います。       次は「3のリズム」で、同じように強弱をつけながら数をかぞえていきます。 (1)、(2)、3、(4)、(5)、6、(7)、(8)、9、(10)、(11)、12、…   そして、「3のグループ」の“リーダー”である「3」には◯を、それ以外の「3の仲間たち(倍数)」をさっきとは違う色で塗っていきます。   早速「6」のところで、さっきもう色を塗っていたので、「6」は「2の仲間」でもあり「3の仲間」でもある(つまり公倍数)、ということがすぐ分かります。     皆すぐに、色を塗る数がどういうパターンで並ぶかに気づき、途中からはもう数えずに視覚的に一気に塗っていました!       「4のリズム」も同様に。ただし、表を見ると、“リーダー”である「4」はすでに色が塗られていますね。だから、「4は自分のグループのリーダーなんだけれども、そっくりそのまま2のグループの中に入っちゃってる」ということが分かります。     じゃあ、「5のグループ」は?「6のグループ」は?と進めると、こんな風に◯のついた“数のリーダー達”が浮かび上がってきます!       2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、…    「今、それぞれのグループの先頭の数に◯をつけて“リーダー”って呼んだけど、なんでそう呼んだのかっていうと、実はこのリーダー達がいれば「世界にあるすべての数」が全部作れちゃうからなんだよ!」   「え、そうなの!?」(生徒)     「皆、『味の素』って知ってる?」(知らない人も普通にいます。笑)   「別にあの調味料があればどんな味でも作れるってわけじゃないんだけど(w)、でもこの2、3、5、7、…っていう数は、この人たちがいれば全部の数を生み出せるから『数の素(もと)』なんだよ。」   「で、日本語ではこうやって逆さまに読むとその言葉の意味がよく解るっていうことがよくあるんだけど、『数の素』をひっくり返すと『素数』ってなるでしょ? 実はこの数たちを『素数(そすう)』っていうんだ。数をつくりだす素(もと)。だから『素数』ね!」     素数とは何なのか、その本質的な意味をおさえつつ、こんな風に入っていくと、結構「おお〜!」「へえ〜!」となります(笑)     小学生であれ、中学生であれ、高校生であれ、大人であれ、何事も「良い出会い方」ができれば良いですよね。   形式的で不自然な出会い方になってしまうと、それだけで心は閉じ、頭はシャットダウンしてしまったりもします。でも、良い出会い・自然な出会いができれば、心は開き、頭(意識)も自然に流れていくのだと思います(^^)       ●「糸かけ曼荼羅づくり」+αのお話   さて、素数なるものに出会ったところで、いよいよ釘打ちと糸かけ曼荼羅づくりになります。 今回は、釘40本バージョンでいくことにしました。   あらかじめ開けておいた下穴に沿って、1本1本釘を打っていきます。   釘を打つのは初めてという人も、やっているうちにだんだんと力の入れ方・使い方のようなものを感じ取って、少しずつ上手くなっていっていました!         さて、今回のような1dayの教室では、時間の都合があるのでなかなか難しいですが、本当は「ぐるっと円になるようにきれいに(等間隔で)40本の釘を打ちたいんだけど、どうしたら良いと思う?」というところからやれたら良いなと思います。   アイデア次第で色々な方法が考えられますし、そこには例えば、円の周りの長さや円周率の話が関係してくるかもしれませんし、あるいは正多角形をコンパスと定規で作図することなどが出てきたりするかもしれません…!   また、曼荼羅を作ったら「終わり」ではなく、そこから色々と発想や勉強の広がりもあります。(⇒以前のレポート記事もご参考までに。写真もきれいに載っています(^^))     単元や学年といった“仕切り”に縛られることなく、今、自分の目の前にあることから、色々と世界を広げていくのです。それが先ほどの「自然な良い出会い」にもつながりますし、この物事が芋づる式に“広がっていく”感覚は、人が皆、本来もっている好奇心を自然に呼び覚まします!        ○ ちょっと暴走します…(笑)   世界は直線的な積み上げではなく、まるで「Web」のネットワーク構造のように連環的になっている、という感じでしょうか。     例えば、です。   さっきやった「素数はすべての数をつくりだす」という「数の素(もと)」の話から、「じゃあ、塩、醤油、味噌、お酒、味醂、出汁類などの調味料で、いったいどれだけの味を生み出すことができるのか」なんてことで、味づくりの調理実験をやってみたりもできますね!(壮大で大変な実験になりそうです…)     あるいは、「日本語は逆さまに読むと意味がよく解るものがたくさんある」というところから、(「はい、あなたたちはこれから漢文の勉強を始めます」ではなく)、今僕たちが使っている日本語はどんな風にできてきたのかということを、自然に見ていくことも出来ます。   そして、実は日本語はどこから来たのかがよく分かっていない「世界でも稀な不思議なことば」なんだとなれば、日本の古代・歴史や自分たちのルーツの謎に思いを馳せていくことにもつながりますね。…

教室レポート「石けん膜には知性がある?! 〜針金立体がつくる膜の不思議〜」

教室レポート「石けん膜には知性がある?! 〜針金立体がつくる膜の不思議〜」

8月20日・21日に行った「針金立体と石けん膜の実験教室」の様子をアップしたいと思います。   今回は小学2年生から6年生までの参加者が、大きく2つの部に分かれて、針金による立体作りを通した空間図形の体験と、石けん膜の実験を行いました!   (教室の案内は⇒こちら。)     ● 色々な立体をよく観察してみよう!   立方体、直方体、三角柱、正四面体、四角錐(ピラミッド)…といった代表的な立体の模型をランダムに机に並べて、まず、それぞれ何を思い浮かべるか(現実の世界の中で何かこういう形をしているものがあるか)、どんな特徴があるか(辺の長さや面の形など)を、目で見て手で触って、考えてもらいました。   そして、次にやったのが「グループ分け」。これら5つの立体を、大きく2つのグループに分けるとしたらどう分けられるか。また、どうしてそう分けたのか(それぞれどういう特徴があるのか)、自由に意見を出してもらいます。         数学を“知っている”人は、大きく「柱(ちゅう)」と「錐(すい)」に分けるのが大勢かなと思います。柱のように底面の形がそのまま上まで伸びているものと、ピラミッドのように底面から上に伸びている各辺が頂上の1点に集まっているものですね。   でも、まだ知識を得ていなくて、ものの見方が固定化していない生徒たちは、もちろん全ての見方が鋭いということにはなりませんが、いくつか“柔らかい”考えを出してくれました!        ● 針金で立体を作ろう!   そんなこんな皆で話をし、立体のタイプや特徴・名前に触れつつ、アイスブレイクをしたところで、実際に針金で立体を作っていきます!       どうやって楽にうまく作るか、「一筆書き」の話も交えながら、考えていきます。       やることがはっきりしたら、材料を準備。       辺の長さを測りながら、くねくね折り曲げて、立体を形作っていきます。       針金を結節するところは、ラジオペンチを使って潰す(圧着)ことで動かないよう固定できます。         ● 石鹸水の膜はどうなりそうか?!   立体が完成したら、いよいよ石けん膜の実験です。   まずシンプルに、輪っかにした針金を、①普通の水と②石鹸水に浸けて、どうなるか確認。水では、ただ針金が濡れるだけで、膜はできません。石鹸水では、膜ができました。    どうしてでしょう…?       生徒の1人が「泡があるからだよ」と言ってくれました! ただ、よく考えると、石鹸水をバシャバシャかき混ぜたりスポンジに含ませてシュポシュポ握ったりすると泡立つ(泡ができる)のは、石鹸水の中に空気が入り込んで、そこ(つまり空気と液体の境界)に膜ができているということ。つまり泡というのは膜ですね(笑)   でも、彼はもしかしたら普通の水はサラサラしているけど、石鹸水はちょっとドロッとしているという質感(粘度)の違いを言いたかったのかもしれません。       「膜がなぜ出来るのか」という問題は、ここではちょっと置いておきましょう。すぐに答えが出なくても、日常の中でいろいろと素朴な疑問をもつというのはとても大切なことだと思います。そして、次に針金の輪っかに「膜がどのように張ったか」を見て、自分が作った立体を浸すとどうなるか予想してもらいました。   今回は、全員が「立体のそれぞれの面に膜ができる」と。 皆さんも、ページの下にいく前にちょっと予想してみてください(^^)   さあ、予想通りになるでしょうか…!       ● 予想に反する膜の不思議な形   膜は次のような形になりました。立方体に張った膜の様子です。           教室に麻糸を渡し、立体をぶら下げて観察できるようにしました。   配布したワークノートに、膜の面の形(二等辺三角形や正方形など)やその枚数、そして面と面が交わってできる交線の本数などをよく観察し、メモしていきます。           これは、三角錐(正四面体)と四角錐(ピラミッド型)に張った膜の様子。 三角錐の方は、中心に空気が入り込んで、こんな感じになっています!       三角柱の場合はどうか。           立方体も、ボウルから引き上げる時に石鹸水の泡が入ると、こんな形になります。       小学2年生のお兄ちゃんと一緒に来た双子の弟たち。 遊びが止まらず、大変なことになっています…(笑)        …

教室レポート「素数の糸かけ曼荼羅づくりワークショップ」

教室レポート「素数の糸かけ曼荼羅づくりワークショップ」

4月24日(日)に行った「素数の糸かけ曼荼羅づくりワークショップ」の教室。今回もおかげさまで和気あいあいと、とても楽しい時間となりました!     新学年になったばかりの小学4年生から中学3年生、そして親御さんが曼荼羅づくりに挑戦。皆それぞれのペースで、途中お茶とケーキもいただきながら、楽しくワークをしました。       ●「エラトステネスのふるい」で素数を探そう!   はじめにイントロダクションとして、数(1, 2, 3, 4,… 自然数と言います)の中には、それぞれ特徴を持った色んな数があるんだよ、というところから、素数もそんなある特徴を持った数の1つということを紹介。   1から100までの数を並べた表を使って、2の倍数、3の倍数、…と順番に色鉛筆で塗っていき、素数を“浮き上がらせる”「エラトステネスのふるい」のワークをしました。           (素数の本質に楽しく“出会う”。詳しくは⇒こちらの記事もどうぞ。)       ●  曼荼羅づくりを開始!   素数がだいたいどんな数か分かったところで、いよいよ曼荼羅づくり開始です。 それぞれのペースで、釘を円周上に48本打っていきます! 釘を打ちやすいよう、板にはあらかじめ下穴を開けているので、誰にでも出来ます。       きれいに等間隔に並んでいる下穴を見て、「先生、これどうやって穴あけたの?」と質問が。   板と同じ30cm四方の紙に、コンパスでぐるっと大きな円を描いて、その中に正48角形を作図。 その紙を板にのせて、48箇所の頂点のところを錐(きり)で突いていけば、ほら!   (この曼荼羅づくりの一貫として、多角形の話や正多角形をどうやって作図するかということも探究できます。)       皆、夢中で取り組んでいます。   「あ〜そうか〜!」 やっているうちに「糸がかかる場所のパターン」を見つけたりして、リズムが出てきます。                「出来た〜!!」 人によって、選ぶ色が全然違って面白いです。   ちょっと大人びた生徒さんが、「先生見て、何かちょっと渋い。」 「君の心が渋いんだよ!(笑)」           作った曼荼羅を手に、生徒さんも親御さんもとても嬉しそうに教室を後にしていきました。後日、親御さんから「帰ってきて得意げに見せてくれました、ありがとうございました」とメールもいただき、こちらこそ感謝です!       ●  糸掛けの中の算数・数学 〜自分でオリジナルの授業をつくろう?!〜   さて、今回は「エラトステネスのふるい」で発見した素数のうち、糸をかける順番に「23, 19, 17, 13, 11, 7, 5」の7つの素数を、糸かけの周期として使いました。また釘の数は48本です。    さあ、この数を変えたら、どうなるかな…? この数を使ったことに、何か意味(理由)があるのかな…?     例えば、最初の糸かけ周期を「29」にしてみたら? もし、素数ではない「18」のリズムで糸をかけていったらどうなる?   釘の数をもう少し増やしてみたら、曼荼羅のイメージはどんな風になる? その時、糸かけの周期にはどんな数を選ぶのが良さそう?   そんな風に、実際に糸かけ実験してみたり、簡単な絵を書いて紙の上で“シュミレーション”してみたりすると、面白いですよ!     実はこのワークには、素数に加えて、「公約数」や「(最小)公倍数」といった数の性質が絡んでいるんです。   このような体験的なワークを通じて、自分自身で問いや発想を広げたり、それを実際に試すことで“隠れているもの(法則)”を感じ取り発見していく。今回の教室では曼荼羅を作って終わりですが、家でこのボードを使って色々と“実験”してみながら、想像力を働かせて考えてみると、面白いかもしれません(^^)     数を変える以外にも、アイデア・発想しだいで、色んなワークが考えられそうですね!? さあ、君ならどんな“授業”をつくるかな?!      

糀出しから行う、本格「手前味噌」づくり(2016年)

糀出しから行う、本格「手前味噌」づくり(2016年)

今年(2016年)も、糀出しから行う「手前味噌づくり」を行うことになりました! 日程は、4月14日(木)〜16日(土)の3日間  @上田市塩田です。     かつて地域の方々が集まって共同で味噌作りをしていたという「室(むろ)」をお借りして、米糀を作るところから始める、「菌」のパワーと繊細さを体験することができる貴重な機会です。また、お米や大豆は、味噌作りを主導してくださった方を含め、近隣の方が有機栽培したものを100%使用します。     以下、簡単な作業予定です。(時間は状況により前後します)   13日(水)午後: 米とぎ 14日(木)午前: 道具等の準備、大豆洗い・浸水      午後: 米蒸し、種糀仕込み      夕方: 室入れ、温度・湿度管理 15日(金)終日: 糀の温度・湿度管理      午後: 大豆煮、ミンチ 16日(土)午前: 糀の室出し、味噌づくり、分配     参加をご希望の方がいらっしゃいましたら、お知らせください! ご都合のつく日・時間帯だけでも大丈夫です。   ご参加いただいた方は、1kgあたり400円でご希望の量をお持ち帰りいただけます。   ◇連絡先◇ 070-6994-6177(清水まで)     去年の味噌づくりの様子になります! 作業場となる柳澤地区にある糀室。           糀菌を仕込んだ蒸し米を発酵させ、糀を作ります。 温度・湿度管理が大事になります。       煮る前日に大豆を釜で浸水。       十分な吸水後、薪火で大豆を煮ます。               糀ができました! 文字通り「米」に「花」が咲いた状態となり、とても甘いです。           煮上がった大豆をミキサーでミンチにします。 勢いのある作業になります!           後方から大豆を補給。       出来上がった米糀に塩を均等に混ぜ、つぶした大豆とあわせます。                   空気を抜き、全体を均一に混ぜるために「味噌玉投げ」をします! 1人ずつ順番に1玉ずつ投げていき、終わったら山を崩し混ぜ…、と全部で3回ぐらいやります。           去年仕込んだ味噌も、もう少しでちょうど1年になります。 今年も良い味噌ができますように!        

教室レポート「円周率をつかまえろ!?  〜円周率はなんで3.14?〜」

教室レポート「円周率をつかまえろ!? 〜円周率はなんで3.14?〜」

3月22日(火)に行った「円周率をつかまえろ!?  〜円周率はなんで3.14?〜」は、おかげさまで盛況のうちに終了しました。       今回は午前と午後あわせて、計6名が参加。みんなで円に潜む不思議と神秘を体感した、素晴らしい時間となりました。2時間半近くのクラスとなりましたが、みんな終わって「楽しかった!」と、疲れた様子もなく、元気に「また来たい!」と言ってくれました。     ●  楽しくてビックリな(?)授業   「円周率はなんで3.14なんだろう…?」 「どうしたら円周の長さを正確に求めることができるだろうか…?」   そんな素朴な疑問からスタートした「円周率をつかまえに行く旅」。   カラフルな色画用紙をあれこれ動かしたり、コンパスを使ってきれいな図形を描いたり、電卓をたたいて数を探し当てる“ゲーム”をしたり… いろいろと手を動かしながら遊んでいるような楽しいクラスとなりました!     そんな今回の教室。楽しさはもちろんなのですが、なんと小学生の生徒たちが、するするする〜っと流れるように、aやxといった「文字」を使うことにはじまり、中学3年で学ぶ「三平方の定理」や「√(ルート)」を理解し、さらには「極限」の考え方を駆使して、なんと東大で出された問題が1問解けるようになってしまいました…(笑)     “魔法の定理” をGET! 「数と形の親密なつながり」も同時に体験しています。 一緒に来た年中さんの妹も興味津々です。       “2回かけたら2になる数” を探しにいっています。 電卓をたたきながら、「もう少しだ…!」「あれ?くそ〜!」と夢中になっていました(笑)   √(ルート)のつく無理数と聞くと、「嫌だ〜」とアレルギー反応を起こす方も多いかもしれませんが、うまく工夫されたアプローチで遊び心をもってやれば、“異物感”を感じることもなく、人と人との良い出会いのように、すんなり自然に「はじめまして!」となります。   しかも、この電卓による“数の探し当てゲーム”の中で、無理数の本質をからだで体感できるので、普通に勉強するよりも理解がとても深いです。 (例えば、今回学んだ人は、『なんで「√」なんて記号が数につくの?』という疑問にもきちんと答えられると思います。…皆さんは答えられますか?(笑))       コンパスでくるくる作図。 円を描くコンパスで、円を描かずに円に近づく?! 彼らはここで、曲線であるために直接は測れない円周の長さに、極限の発想でせまっています!       「お、もうひと息だぞ!がんばれ!」       午前は高校生と、思いもかけず大人の方が一緒に参加! お母さん頑張って(笑)       「そういうことだったのか…!ほえ〜」 生きた勉強は、子どもの心にも大人の心にも響きますね!         ● 「無限」の神秘に触れたキミの可能性は、まさに無限大だ!   授業の最後に、すっかり言い忘れるところでしたが(午前は忘れました…笑)、「これで、実はみんな東大で出た問題が1つ解けるようになったんだよ」と伝えると、無言ながら「え、マジで…」というような表情を浮かべていたり、「そうか、あとちょっと“√”のついた数の計算だけやれば、出来るんだ…!」と言っていたり。   遠い世界が、あるいは考えもしなかった世界が(小学生であれば当たり前ですが。笑)、自分の手元にぐっとたぐり寄せられたような、そんな感覚をもしかしたら感じ取ってくれたかもしれません。「自分の可能性は、もしかしたら自分が思っている以上に、大きく広く開けているのかもしれない…」そんなことを微かにでも感じてもらえたら、何よりなことです!     でも、東大がどうだとか、そんなことは大した話ではありません。学びというのはいつでもどんなことでも、その人の内側で起こる内的なもので、それこそが何より大事なことですね。様々な経験から、自分の中にある「これをやりたい!」という情熱につながって、それをやるために例えば東大という場が必要だから東大を目指す・通う。それが本来ですからね(^^)